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【為什麼城市裡需要這樣一間店?|001】 Taipei:風和日麗唱片行

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【なぜ町にはこのような店が必要なのか?|001】
Taipei:
 CDショップ「風和日麗」

 中文  /  日本語 

テキスト、撮影=男子休日委員会
日本語訳者=田中 佑典 (台日系カルチャーマガジン『離譜』編集部) 

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2015年7月末、台湾は夏真っ只中、京都の独立系書店「惠文社」店長の堀部篤史氏から連絡をいただいた。堀部氏は間もなく、20年近く働いた惠文社を離れ、束の間の休暇と合わせ、彼自身が新しく作る本屋「誠光社」のためのリサーチで台湾に2、3日来られるそうだ。そこで我々男子休日委員会のおすすめの面白いお店を紹介してほしいという依頼だった。

地下鉄の六張犁駅を降りると、後方の静かな道にある大きな樹木のそばに、白いタイルの壁に青い空と白い雲の小さな丸い看板の「風和日麗」がある。洗練された外観は一見素敵なカフェのような雰囲気。入り口にはメニューではなく、一台のCD視聴機が置いてあり、店内に入らずとも無料でCDが視聴ができる。伝えておきたいことは、「じっくり音楽を聴く体験」を最も売りたい商品として掲げているお店なのだ。

「風和日麗」はオーナーのチャールズ氏によって2003年に創立。国外のインディーズ系音楽の台湾での代理と、独自の音楽レーベルも同時に立ちあげられた。2015年には実店舗のCDショップをオープンし、様々な形のアプローチで音楽創作の価値を伝えている。一方、堀部氏は2002年より惠文社一乗寺店店長になり、これまでずっと身をもって本屋の仕事やその価値を模索されてきた。
それぞれ違うカルチャーをバックグラウンドに持つお2人はこれまで10数年それぞれの領域で努力を重ね、様々な作品に対して最適なアウトプットや接点を見つけてこられた。このような点から堀部氏は必ずCDショップ「風和日麗」を気に入っていただけると思ったのだ。

風和日麗 誠光社堀部篤史 男子休日委員會


  • 店主対談  風和日麗 × 堀部篤史


堀部:
私は個人的にCDで音楽を聴くのが好きです。なので恵文社には本以外にCDを販売するスペースもあります。しかし現在お店でCDを売るのは本より大変で、以前はたくさんの海外アーティストが日本版CDを出せたりしていたのですが、次第に多くの小さなレーベルはなくなり、大きなレコード会社は売れるメジャー歌手のCDばかりを発行しています。ただそれも発行枚数は年々減っています。作り手の中には数百枚や千枚単位でCDを発行したり、小さなCDショップとコラボして販売するなどを新しい試みをしています。

チャールズ:そうですね、台湾も同じです。しかもたとえ自分たちで自主で作ったCDを他のCDショップに置いても、普通であれば店頭でなかなかレコメンドしてもらえたりプッシュはしてくれません。そのため私は自分でCDショップを作りたいと思っていました。
このCDショップを作る以前、台湾の十数店舗の雑貨屋、服屋、カフェや本屋とコラボし、我々のレーベル発行CDの特設ブースを作りました。なぜならそこにやって来るお客さんは本を買いに来た人だったり、カルチャーに関する商品を買いに来たお客さんでそもそもCDを買いに来たわけではないかもしれません。しかしそういう人たちこそ我々の目標とする潜在的なお客さんだったりするのです。何度か試行錯誤をしたことで、どうしたら自分の空間を使って商品を最も良い形で展開できるかということを考えました。


店内に入るとある風和日麗の作品が並ぶエリア。すべてのCDが購入前に全曲試聴ができる。使っている試聴機は風和日麗が以前別のカフェに設置していた視聴サービス「行動唱片行」(動くCDショップ)で使っていたiPod。


堀部:
確かに非常に似ています。日本も同じような状況です。

チャールズ:ですが、聞く話によると全世界でCD販売が下火になっている状況で日本は比較的厳しくはないと聞きましたが?

堀部:私も以前CDショップで働いたことがありますが、当時からすでにCDショップは減っていました。CDを買う人のほどんどはコレクターばかりで、そのほとんどはレコードです。CDの売り上げはどんどん落ちていくばかり。その後恵文社で働くことになり、音楽を聴くことをライフスタイルの一環としてお客さんに提供したかったため本や雑貨以外に、CDの販売スペースを作りました。

現在は90年代と違ってCD上に「〇〇のニューアルバム発売」とだけ書けば売ることができます。CDショップが減少以降、消費者もまた次第に歌い手についてあまり知らなくなりました。かえってジャケットを見て気に入り、視聴後に内容も良ければ買っていきます。そのため恵文社でCD販売スペースを作った際は、テーマや雰囲気を合わせ陳列デザインし、お客さんがCDのパッケージデザインを通してこの「商品」が好きかどうかをきちんと理解できるように心がけました。

堀部氏は風和日麗の設立後発行した1枚目のCD(自然捲/『C’est La Vie』)に細部まで目を通している。


チャールズ:
間違いないですね。私たちもアルバムのパッケージにはたくさんの工夫をしています。読者がCDのパッケージを見て、できる限りどんな音楽なのかが理解できるように心がけています。自分の家でCDを発行したかのように、ジャケットのサイズは全て17cm×17cmミニレコードのサイズ。サイズからCD独特な手触りを感じてもらいたいです。 

そして自分たちのCDショップがあるので、自分たちの考えやコンセプトをより理解していただこうと思っています。さらに我々は「1度に1つのことをじっくりと行う」環境を提供したいです。お店では飲み物も提供していますが、このお店は常に音楽をメインに提供する場所でいたいです。なのでCDプレイヤーやイヤフォンを利用しじっくりと1枚のアルバムを楽しんでもらうことにより、音楽がカフェのバックミュージックにはならないのです。

バーカウンターではデザートや飲み物を提供しているが、最も重要なことはイヤフォンやCDプレイヤーを提供することで、お客さんが自分で選んだCDをこの空間でじっくり聞き込むこと。


堀部:
なるほど。情報が多すぎるこの時代、みんな自分が必要な情報をどのように選ぶかを学ばなければいけないです。ネットや本はもちろんですが、どの情報に対しても情報を得るルートはいろいろあれば良いと思います。しかし情報発信者側は自分の独自性、つまりは自分のプラットフォームでしか提供できない独自体験、そこにしかない空気感を強調することが必要です。私はお店で本や雑誌、CDなど商品の販売はもちろんですが、同時にお店の中でお客さんがもともとは予想はしていないが「確かに自分の好きな商品」こそ見つけられるようにサポートすることが大事だと考えています。実際に1枚CDを手に取った時、パッケージのイラスト、配置、歌詞、文字でそのCDの考えや意図を理解します。そのCDが気に入れば、さらにそのCDの情報の中から同じレーベルのほかの作品が好きになることだってあります。こういう体験も実際のCDじゃないと味わえない特点ではないですかね。


お店で提供している飲み物は脇役。ショップ全体と提供する体験は全て音楽をメインとしたデザイン設計。


チャールズ:
恵文社は全部で何店舗ありますか?

 

改變街區的獨立小店

改變街區的獨立小店

堀部:恵文社は全部で3店舗ありますが、オーナーは同じ人です。でもチェーン店のような形ではなく姉妹店に近いです。各店商品の内容も雰囲気も全く違う。商品のセレクトは全て各店舗の店長に任せられている。僕はCDも好きなので、CDのエリアも設置しています。だけど除々に恵文社一条寺店がどんどん有名になり、家賃も上がり、スタッフ数も急増。持続的な運営のため、やむおえず本やCD以外に雑貨の商品の販売を始めました。しかもその比重はどんどん重くなってしまい、本が3なら雑貨は7の状況でした。このような形だともともと本屋を作る際の「文化発信地」という考えから遠ざかってしまっているように思え、悩んだ結果今年恵文社を離れることを決意しました。

そして妻と恵文社での経験を活かし、自ら本屋「誠光社」をつくりました。もし自分たちだけの生計を支えるだけであれば、販売するものは本などのカルチャー関連の商品だけで十分だと思っています。

ここで見つけたCDは風和日麗が発行の自然捲、929、黃玠、吳晟、熊寶貝、何欣穗、NyLas、黃小楨、草莓救星、吳志寧、蛋堡、葛洛力、黃玠瑋、週休八日、光引擎、依錚依靜、甜梅號等など台湾のアーティスト、30を超える作品

 

NABOWA / 十年熟成精選輯 (2CD)

NABOWA / 台湾盤2枚組アルバム「十年熟成精選輯」

チャールズ:では音楽エリアも作りますか?

堀部:そうですね。(笑)もともと恵文社の時は私が個人的にお客さんに紹介したい音楽や本を選んでいたので、新しいお店でも同じように音楽エリアを作ろうと思います。今回台湾に来て、男子休日委員会のみんなに特におすすめの音楽レーベルは?って聞いたらこのお店を教えてくれました。日本の音楽市場に向けた計画は今後ありますか?

チャールズ:今店内で流しているのは做黃玠というアーティストなんですが、去年京都のバンドのNabowaが台湾に来た時一緒にライブを開催しました。そして今年9月に今度は我々が京都に行き、Nabowaと2曲レコーディングをしました。なので来年はチャンスがあれば日本でプチツアーやりたいです。

堀部:Nabowaは僕の友人のレーベルです!今後の動向を楽しみにしております!




  • お店選び記  by 男子休日委員會



集中してじっくりと「音楽を聞く」環境が与えられることで、
1枚のCDをここまでじっくりと理解させてくれる。

風和日麗は海外のインディーズ音楽の代理レーベルとして立ち上がり、その他カフェにCD視聴機の設置やCD販売ブースを作ったり、その後は台湾のインディーズ系音楽の発行、2015年5月には“CD販売ビジネス”への回帰として正式にリアルな場でのCDショップをオープン。風和日麗の発行しているものや代理している商品の全曲視聴や販売以外にも、コレクションしている2千枚のCDも提供している。入場料のみ支払えば、一杯の飲み物と、SENNHEISERのイヤフォン、CDプレイヤーがセットで付いてくる。

我々は普段ストリーミング配信やデジタルファイルで音楽を聴く際、別の物事をやっている時のバックサウンドになることが多い。しかし風和日麗は「CDプレイヤーを使い、CDを再生し、最初から最後までアルバムの曲順通に聴く」その動作、体験こそ、そのCDが伝えようとしているメッセージや考え、歌詞の美しさ、音楽の作り手側の想いも理解できると考えている。

店内に入ると、風和日麗のCDエリアではレーベルがこれまで手掛けた全ての作品が陳列され、毎シーズンごとにテーマに変えて、CDの関連商品やクリエイターたちの雑貨やデザイン商品も販売している。もう一方の壁にはCDジャケットのデザインや原画等を展示、さらに店内では不定期でミニライブやトークショーも行っている。

じっくりと音楽を聴いたり、CDアルバムを閲読するだけではなく、このお店は「音楽を作るということ」をいろいろな面で理解することができる。今まで以上に音楽を聴いた時の感動を味わえる場所である。

堀部篤史氏と風和日麗のオーナーのチャールズ氏。



歡迎光臨風和日麗唱片行

いらっしゃいませ「風和日麗」へ

【なぜ町にはこのような店が必要なのか?|001】

Taipei:CDショップ「風和日麗」

地址:台北市和平東路三段212巷18號1樓
電話:02-8732-5670
營業時間:12:00~22:00

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